事故から気胸と腹腔内出血を起こした1例

種 類 トイ・プードル
年 齢 1歳2か月
診療科目 外科
症 状 トイ・プードルのワンちゃんが自転車から落ちたとのことで来院した。

検査結果

外傷は特になかったが、X線検査にて気胸、血液検査で肝数値の増大が認められた。直ちに入院・点滴しながら様子観察とし、経過を見守った。

その他

次の日元気はあり、気胸は改善も悪化もしなかったが、貧血と低タンパク血症、腹腔内陰影の悪化が認められた。

エコー検査にて腹腔内出血が確認されたため、直ちに試験的開腹手術を行った。
肝臓に一部損傷が認められ、横隔膜にも2mm程度ではあるが小さな穴が認められた。肝臓の出血は電気メスにて止血、横隔膜の穴は縫合して、手術を終了した。
術後気胸は改善し、低タンパク血症に対しては輸血と末梢性高カロリー輸液を行った。

その後徐々に回復し、退院して治癒した。
初日には血圧、臨床症状、貧血、出血等が認められなかったが、次の日に一気に状態が悪化し,腹腔内出血が認められた。これは肝損傷により止血因子に問題がでたことで出血が起こったことも考えられ、事故の場合は細心の注意が必要であることを再認識させられた。