胆嚢粘液嚢腫と子宮蓄膿症を併発した1例

12歳、メスのトイ・プードルが嘔吐と食欲不振との事で来院した。血液検査と超音波検査にて、黄疸・胆嚢粘液嚢腫・子宮蓄膿症と診断した。緊急性から直ちに手術を行ったが、患犬の体力を考え、子宮蓄膿症を優先・手術し、一旦終了して経過観察した。
その後内科療法を実施し、元気は多少回復したが、嘔吐と食欲不振は依然として続いた。また血液検査でも肝機能、黄疸の回復は認められなかった。
そのため3日後に胆嚢摘出術を実施した。術後黄疸の数値は一時上昇したが、2日後には嘔吐が止まり、3日後から黄疸の数値が下がり始めた。5日後から徐々に食欲も回復し,約2週間後には黄疸は消え、正常な数値に下がった。摘出した胆嚢の病理検査結果は胆嚢粘液嚢腫であった。
途中一時的に肝臓の数値が上昇したが、後に低下し、現在は正常値まで下がり、食欲・元気も通常に戻った。