猫の伝染性腹膜炎に脂肪幹細胞を投与した1例

2か月前から腹水が貯留し、他院で伝染性腹膜炎と診断された猫が食欲がなく、いろいろ治療したが反応に乏しいとの事で来院した。
腹水が貯留し、体温も40.3℃のため、入院して抗生剤と解熱剤を投与しながら脂肪幹細胞(凍結保存してあった他家細胞)の投与を行った。
食欲が改善し、熱もかなり下がり元気もでてきた。腹水は貯留したままであったが、臨床症状の劇的な改善が認められたことで、飼い主さんの強い希望があり、計3回の脂肪幹細胞投与を行った。
元気に生活していたようであったが、投与後1週間後に突然亡くなった。
伝染性腹膜炎がかなり進行した状態であったこともあり、脂肪幹細胞の投与で完治までは至らなかったのが残念であったが大幅なQOLの改善が認められた。