再生医療とは

大切なペットが病気になった時、手術や薬で治療します。
しかし、手術ができない時、薬が効かない時、それらのリスクが高い時どうしたらいいでしょう。

再生医療は自分の細胞を体外で培養し、治療する方法で、これまで治療法が存在しなかった病気に対する新しい治療法として注目されています。

治療法

当院で提供している治療法は2種類です

  • 1・活性化リンパ球療法(免疫細胞を用いてがんなどを治療)

    免疫力が下がる事によっておこる病気の治療

    免疫力の低下はあらゆる身体の不調をおこします。
    例えば、風邪でも体力(免疫力)が低下した人が感染すると重篤な状態をひきおこします。がんにおいても免疫力の低下で発生したり、転移したりすることが知られています。免疫力を高めるために、体外で自分のリンパ球を培養し、体内にもどす治療を活性化リンパ球療法といいます。
    自分の細胞を使いますので副作用がほとんどなく、延命効果がみられ、QOL(生活の質)の向上や他の治療法との相乗効果が期待できます。

  • 2・幹細胞療法

    自分の細胞から必要な器官や臓器を再生させる治療

    動物の身体には様々な器官や臓器に変化する細胞があります。この細胞を幹細胞といいます。幹細胞療法とは、この細胞を体外で培養・増殖し、体内に戻して臓器や怪我を治す方法です。

    幹細胞療法は2種類あります

    • 1. 骨髄幹細胞(MSC療法)
    • 2. 脂肪幹細胞(ADSC療法)

    培養した幹細胞は、骨や軟骨、筋肉、心筋、血管などに変化すると言われています。また、幹細胞の投与によって傷害を受けた細胞の炎症を抑えたり、治癒促進を促す効果もあるようです。
    そのため、骨折癒合不全・脊椎損傷・炎症性関節炎・口内炎などにも効果が認められています。

再生医療の方法

株式会社J-ARM 犬猫の活性化リンパ球療法と幹細胞療法

http://j-arm.biz/

症例

ステロイド反応性脳炎(他院からの紹介)

ブリュッセル・グリフォン 5歳 オス

顔面神経麻痺、歩行不全を呈し、MRIにて脳炎が疑われ、ステロイドの大量投与にて回復したが、未だふらつきが続くとのことで紹介されて来院した。

来院時は顔面に多少のチック様の動きとふらつきがあるとのことで、右半身の神経反射が低下していた。薬はステロイドをかなり増量し、免疫抑制剤の投与も行っていた。

麻酔下で脂肪を採取し、幹細胞培養を行い、計3回点滴投与を行った。1回目の投与後から、明らかに体調がよくなり、他院に戻った後も徐々に薬の減量に成功し、飼い主さんもすごく満足しておられるとのことであった。

その後はふらつきや半身マヒも治まっていたが、徐々に効果が落ちてきたため、3か月後に再来院した。明らかなマヒやふらつきはなかったが、薬を増量しているとのことであり、前回非常によかったので、脂肪を再度採取し、幹細胞の投与を3回行った。今回も非常に調子がよくなったとのことで現在に至っている。