針を飲み込んだ猫の1例

種 類
年 齢 2歳
診療科目 外科
症 状 元気・食欲がなく、昨日から嘔吐しているとのことで来院。 なんとなく、口の中を気にしているようなしぐさをしていた。

検査結果

血液検査では特に異常は認められなかった。 口から胃にかけてのX線検査にて針のようなものが見つかった。

その他

X線検査で、口の中なのか舌下なのかはわからないが針が認められた。
口腔内の視診を嫌がってさせてくれなかったため、直ちに麻酔下で口腔内の検査を行うことにした。注射による麻酔後、口腔内を検査したが、
針は見つからなかったため、再度X線検査を行った。
短時間の間に、針が胃の中に入ってしまっていたため、開腹手術に切り替えた。
胃の中に針が触れたので胃切開を行ったが、針に付いた糸が張って十二指腸がアコーデオン状になり、抜くことができなかった。
そのため十二指腸にも一部切開を行い、両方から引っ張ることで摘出することができた。
術後は順調に回復し、3日後に退院した。
今回は針の末端に糸がついていたため、針は口腔内(または口腔内皮下)に残っていたが、糸が食道・胃・十二指腸と流れ、そこに引っかかって引っ張られたことで胃の中に針が入っていったと思われる。その後十二指腸がアコーデオンのようになっていたことから、早期の開腹手術をしてよかったと思われた症例であった。